蝉しぐれ 藤沢周平・著

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蝉しぐれ

なんたる読後感。爽やかさ、烈しさ、切なさ、やるせなさ。

一人の海坂藩士・主人公牧文四郎とその人生の歩みを見守り続けた一人の女性の物語。

友情、陰謀、汚名、秘剣、淡く決してかなうことのない恋。
心躍る素晴らしい作品でした。この本を読んだのはもう一月くらい前ですがこの本の内容を思い出すだけで心が熱くなるような気がします。

父の切腹に際し、面会したがほとんど言いたい事がいえなかった文四郎が
『文四郎の胸に、不意に父に言いたかった言葉が溢れてきた。
ここまで育ててくれてありがとうと言うべきだったのだ。・・・(中略)・・・あなたを尊敬していた、とどうして素直に言えなかったのだろう。そして父に言われるまでもなく、母のことは心配いらないと自分から言うべきだったのだ。父はおれを、十六にしては未熟だと思わなかっただろうか。』
と、思った場面から
『「もっと他に言うことがあったんだ」
文四郎は涙が頬を伝い流れるのを感じたが、声は顫えていないと思った。
「だが、おやじに会っている間は思いつかなかったな」
「そういうものだ。人間は後悔するように出来ておる」
「おやじを尊敬していると言えばよかったんだ」
「そうか」』
という文四郎と親友・逸平との会話にかけてが父を尊敬している心とこれから予想される苦労に対していく十六歳の文四郎の決意が感じられて本当に好きです。

他にも好きなパートは色々ありますが本を一冊写さなければならなくなりそうです。

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このページは、檜山 浩治が2008年3月14日 23:36に書いたブログ記事です。

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